本を読むことは、実は自分を読むこと、好き著者との出会いは自分のブレインが増えていくようなものだ。
【言左衛門の要約】

スピード読書術」がターゲットとしている読者は、本のタイトルからも分かる通り「速読」であることは一目瞭然ですよね。
本書の中には速読教室などでも教えられている実践的なテクニックや訓練などが掲載されていて、中でも速読法の極意として「本を目の奥から読む」という感覚の話しはとても興味深いものでした。

ただし、僕としては「スピード読書術」の価値は「速読」よりも「読書とは?といった本の読み方」の方にあると感じました。

第1章では、僕の凝り固まった読書に関する思い込みやルールをほぐしてくれ、もっと自由に多角的に本を利用してみようという気持ちにさせてもらいました。
とても面白いと思ったのは「読書はファッション、本を着る」という発想です。
例えば今日の会社にはどんな本を「着て」出掛けたいか、本棚の前で考えてみる。その中から1冊を取り出して、本の特徴を纏って出勤してみるのです。
「金持ち父さん、貧乏父さん」という僕の大好きな本を選んだのなら、会社は定時で切り上げて、ネットビジネスをする時間を増やしてみようなど。

第3章では「選書」に関する掲載があり、その中で衝撃を受けのが、「好き著者と出会うということは、自分のブレインが増えていくようなもの」という話しです。
沢山の本を読みたい、また読んでいるという人であれば、読む本の分野は多岐に渡ります。
またその分野ごとに日々変化が起こり、次々に新しい情報が発信されていきます。
それら全てのことを知ることは欲張り過ぎだし、とても現実的なことではありません。
そんな時、各分野ごとに「好きな著書や専門家」をつくっておけば、彼らが勝手に自身の分野の知見を得えては発信してくれるので、それをキャッチするだけになります。
いわば「半自動」で、文字通り「脳が増えている」状態ですよね。

上記のように著者の宇都出雅巳さんは、独特な視点から多角的に読書を楽しむことができる達人です。

読書が読書だけで終わらず、リアルに実生活に結びつくヒントが得られる一冊です。