当記事では吃音によって働きたいのに働くことができない方の為に、『障害者』という働き方もあるということをお伝えできればと思います。
まず、吃音は障害者手帳を、取得することができます。
取得できる障害者手帳は
- 精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳
となっており、基本的には『精神』の方が適応されます。
精神障害者手帳では2年ごとの更新が必要になりますが、身体障害者手帳については更新が免除されるケースが多いです。
吃音ドクターこと菊池良和さんは、著書の中で以下の様に語っています。
吃音症は身体障害者福祉法にて言語障害の身体障害者手帳を、発達障害者支援法および精神保健福祉法にて精神障害者保健福祉手帳を交付される可能性があることに気づいたのです。
つまり、重度の吃音者については言語障害という理由で身体障害者手帳の交付を受けることができる可能性があるということです。
一方で、重度ではない人でも、精神障害者保健福祉手帳の交付を受ける可能性があるというわけです。
引用元: 「吃音の世界」より
実際に吃音によって身体障害者手帳の交付を受けた吃音者は多くいて、中にはどちらの手帳も取得している人もいます。
日本では2005年に施行された発達障害者支援法にて吃音が対象であると明文化され、2016年の改定によって幅広く知られるようになりました。
吃音を題材にした月9ドラマ『ラヴソング』も、ちょうど2016年の春に放映されました。
こういった世の中の動きから、近年では吃音で障害者手帳を取得する人が増えてきていると言われています。
目白大学の都築教授が考案したメンタル・リハーサルの有効率は、実に74%!!
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20年間、吃音に苦しんだ僕が『M.R.M』を実践したみた結果・・・
障害者手帳を取得するメリット
障害者手帳を取得するメリットは障害者枠での就職が可能となる点です。
1960年、身体障害者雇用促進法 (現 ・障害者雇用促進法 )の制定によって障害者の雇用を促進することになりました。
1976年には『促進』から『義務』となり、事業主に対して明文化され、
1998年に知的障害者、2018年に精神障害者が雇用義務化の対象になりました。
障害者の雇用率については1998年には1.8%とされていましたが、2013年には2.0%に引き上げられており、2021年には2.3%に引き上げるとの発表がなされています。
障害者枠での雇用となれば『できない』ことが配慮されるようになります。
例えば
- 電話には出なくて良い
- 朝礼などでの発言はしなく良い
- メールでの報告で対応して良い
- etc
吃音者にとっては、これらの部分に配慮してもらえるだけで安心して働くことができるようになるのは言うまでもありませんよね?
さらに、障害者手帳を取得することによって得られるメリットはまだあります。
- 所得税や住民税の控除
- バスやタクシーの運賃の割引
- 携帯電話料金の割引
- 施設の入場料の割引
自治体によって適応される範囲は異なるため、自身での確認は必要になります。
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障害者手帳の取得方法
では、どのようにして障害者手帳を取得したらよいのかについて記載します。
申請に必要なものは
- 申請書類
- 医療機関の診断書
申請の条件としては
- 初診から6ヶ月後に再診断し、適応範囲の症状が続いていること
申請書類は市区町村の障害者福祉担当の窓口で入手することができ、同窓口に提出することで申請ができます。
審査には1〜2ヶ月程度かかるといわれています。
ポイントとしては医療機関での診察が必要であるという点です。
どの病院でも良いわけではなく、吃音の治療に精通している病院でないと、そもそも診察することができません。
吃音の治療ができる病院は限られており、全国的にみてもあまり数がありません。
都道府県内に一つもない地域も存在します。
当サイトでは吃音の治療ができる病院をまとめた記事がありますので、参考にしてみて下さい。
『障害者として働く』とは?
実際に『障害者として働く』とはどのようなものなのか、リアルな吃音者の生活を書いた書籍がありますので、気になる方は参考にしてみて下さい。
吃音の世界
- 著者
- 菊池良和
- 発行日
- 2019年1月
- 価格
- 864円
吃音ドクターでお馴染みの九州大学病院の医師が書いた書籍です。
この一冊に吃音にまつわる重要な知見が全て詰まっています。
書籍の中には菊池医師が診断書を作成し、身体障害者手帳の取得した患者さんとのエピソードが書かれています。
精神障害者保健福祉手帳ではなく、身体障害者手帳をお勧めした経緯や、医師としての心情が分かるかと思います。
吃音:伝えられないもどかしさ
- 著者
- 近藤雄生
- 発行日
- 2019年1月
- 価格
- 1620円
何人もの吃音者に追跡取材すること5年。
これまで無かった生々しい吃音のドキュメンタリー作品となりました。
ノンフィクションで描かれているので、良いことばかり・パピーエンドな話しなどではなくって、自分のこれまでのこと・これからのことを本気で考えさせられます。
本書籍でも身体障害者手帳を取得した男性の話しが取り上げられていますが、障害者手帳を手に入れてからも苦しみ続ける姿が描かれています。
編集後記
障害者手帳の取得をするには、吃音の病院を探さなければならないわけですが、コレが非常に難題なんですよね。
◯◯県 吃音 病院
というキーワードでインターネット検索をしてみると、それはそれは酷い記事ばかりで、吃音治療をしていない病院名が書かれていたり、『病院にはいくな!』みたいな記事まであります。
そんな現状を変えたいと、僕のサイトでは言語聴覚士会に問合せをしたり、病院のホームページを徹底的に調査しました。
今では、当サイトの記事が上位表示するようになり、少しばかり力になれていると自負しています。
また調査をして分かったことは、圧倒的に病院数が足りていないという現状。
ほとんどの言語聴覚士会で「あまり対応できる病院はない」と言われます。
最善の策は『病院で治療してもらう』ことですが、もう一つの手法としては『自宅でできる吃音治療』というものがあります。
何を隠そう、僕はインターネットで販売されている吃音改善プログラムで克服をした1人です。
自宅でできる吃音治癒の数も、年々増えてきていますので知っておくと良いかもしれません。
next. 自宅で出来る!大人の吃音を克服する方法〜まとめ記事〜
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