吃音がある
    スポーツに取り組んでいる
    対象は小学生から中学生

こんな方にお勧めしたいのが、書籍『ハメス・ロドリゲス 世界に挑むニューヒーロー』です。当書籍は恥ずかしがり屋なハメス少年が、多くの試練を乗り越えて、世界の舞台へと羽ばたいていく姿を描いたドキュメンタリー作品です。

『ハメス』といえば、サッカーをやっている人なら誰もが知っているコロンビアのスター選手です。

2014年のFIFAワールドカップでは、6ゴールを叩き込み得点王を獲得。あの世界最高峰のクラブチームである、レアル・マドリードでプレーしていました。

そんなハメスに吃音があることをご存知でしょうか?

輝かしい実績の裏には、辛い過去や絶え間ない努力がありました。ハメスにはサッカーの才能がありましたが、その才能を開花させたのは、本人の努力に他なりません。

僕達は「あの人には才能があるから」と常に結果を出し続けている人に言うことがあります。でもそれは自分は努力をしなくて済むように納得させているだけなのかもしれません。

僕は小学生から高校生まで野球をやっていました。高校では地元の強豪校に入学し、毎年、甲子園に行くことができました。

夏の甲子園の風物詩といえば、敗退したチームが泣きながら甲子園の土を持ち帰る光景が浮かびます。皆、とても悔しそうに泣きながら土を集めます。

でも1番悔しいのは、甲子園の土に触れることなくスタンドで立ち尽くす、ベンチ入りできなかった人達です。 僕は3回も甲子園にいくことができましたが、一度も甲子園のグランドに足を踏み入れたことはありません。僕らは相手チームと戦う以前に、チームメイトに負けていたのです。

今思えば、すごくやる気にムラがあったと思うんです。

入学当初はもちろん、皆、やる気に満ち溢れていて、切磋琢磨しながら練習に打ち込んでいました。

しかし半年、1年と経つと結果を残せる人と、結果を出せない人が目立ち始め、後者は徐々に練習をサボり始めます。「俺には才能がないから」と言いながら。

僕は最後まで足掻き続けましたが、時折、心が折れてしまいそうな時がありました。「どうせ、俺には・・・」と悪魔の囁きが聞こえてくることもしばしば。

また周りがサボり始めると、どうしても弱い自分が見え隠れしてしまい、野球に没頭することができない時期もありました。

気が付けば、2年が経ち、3年生となっていました。才能がない上に、そんなフラついた気持ちで練習に参加していたので、いつ間にか、レギュラー陣との差はとても大きく広がっていました。

当時の自分に、是非、見せてやりたいと思うのが『ハメス・ロドリゲス 世界に挑むニューヒーロー』です。

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天才的なプレイヤーとして、世界で注目を集めているハメス氏でさえ、絶え間ない努力をしているというのが、当書籍から分かります。

それはハメス氏の吃音を改善しようとするトレーニングからも伺えます。

ハメスはただのサッカー少年というわけではなく、よく本も読んだと言います。特に工学系の書籍を好んで読んでいたそうで、寝る前には吃音改善の一環として音読をしていたそうです。

母親によれば、初めの頃は、よく言葉に詰まっていたそうですが、繰り返し練習をすることで徐々に改善されていったと語っています。

吃音の改善に対してだけをみても、そのストイックさが分かるハメスですが、サッカーに対する姿勢も、やはり超一流です。

自分のユニホームは、自分でアイロンをかけるなど、ハメスの着るユニホームにはいつもシワ一つなかったと言われています。

これは幼い頃からの習慣として、継続しているといいます。

スポーツをやっていると、調子の良い時期や、逆に調子の悪い時期があったりします。

大事なことは調子の悪い時に、いかに早く立ち直るかで、ハメスの様な取り組む姿勢は、こんな時に役立つと僕は思います。

当時、父親や母親から言われても、きっと「野球とは関係ないじゃん」と意識することは無かったと思いますが、尊敬するプレイヤーや、偉大な選手がやっていたことだと知れば、バカな僕にでも気付けたかもしれません。

子どもにサッカーを習わせているけど、最近、モチベーションが上がらず、練習に参加したくないなどと言っている場合には、当書籍を読んでみることをお勧めしてはいかがでしょうか?

また吃音がある子どもには、必ず読ませてあげて下さい。偉大な選手にも吃音があったという事実に勇気を貰うことができますし、スポーツをやる上で吃音は関係ないということも当書籍を通じて学ぶことができます。

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