クレヨンしんちゃんのひまわりの声を担当している「こおろぎさとみ」さんにも吃音があったことはご存知でしょうか?
吃音とは「わ、わ、わたし」のように言葉を繰り返したり、「わーーーたし」のように言葉を伸ばしたり、「っ・・・・わたし」のように言葉を詰まらせたりする症状のことを言います。
吃音があると発声に対してコンプレックスを持つようになり、話しをしなければいけない場を避けるようになってしまう人がいます。
一方で、あえて話す機会が多い職業に身を置く人もいて、世の中には教師や営業マン、俳優、女優、アナウンサー、政治家など至るところに吃音者は存在します。
声優オタクからは”二大ロリ声”として「かないみか」さんと並んで称される「こおろぎさとみ」さんもそんな一人です。
こおろぎさとみのプロフィール
- 画像
- 本名
- 興梠 さとみ(こうろぎ さとみ)
- 出身
- 東京都
- 職業
- 声優
- 所属
- ぷろだくしょんバオバブ
- 生年月日
- 1962年11月14日
高校のときになりたい職業が3つあったと話すこおろぎさとみさん。
それは童話作家、幼稚園の先生、そして声優です。
現実的で両親にも反対されないとの理由から幼稚園の先生を4年間続けたこおろぎさとみさんですが、劇場用アニメ『アリオン』に感激して、高校生の頃に蓋をしていた気持ちに火が付き声優の養成所に通うことを決意しました。
両親、特に父親からは反対されながらも声優の養成所に通い、費用は全て自分で捻出したと話します。
沢山のアルバイトを掛け持ちして資金を作る中で、時には栄養失調や過労で倒れたこともあったほど夢への気持ちは強くありました。
1988年、テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』にてこひつじ役でデビューすると、その可愛いらしい声が評判となり、『クレヨンしんちゃん』にて野原ひまわり)に抜擢される他、『少年アシベ』でゴマちゃんを、『ポケットモンスターシリーズ』ではミュウ、ピチュー、トゲピーなど次々と活躍の場を広げて行きました。
こおろぎさとみと吃音について
こおろぎさとみさんの、あの可愛らしい声からはとても想像することができませんが、幼少期の頃は吃音に悩まされていたとされています。
自分の名前である「さとみ」が言えず「・・・みぃ」と発音していた事もあり、あだ名は「みぃ」だったそうです。
当時を振り返り「みぃ」というあだ名について、今ではとても気に入っていると話します。
吃音に悩んでいたこおろぎさとみさんですが、姉の弾くピアノに合わせて歌うと、どもることがないことに気が付き、繰り返し歌い自信がついたことで、吃音を克服できたと語っています。
吃音には誰にでも効果のある確立された治療法というものがありません。
一方で吃音を克服した人の中には、「本当にそれで治るの?」と思えるような独特な訓練で治ることもあります。
例えばアリストテレス は崖の上から海に向かって大声で発声することにより克服し、雄弁家となって人々を導いたとされています。
またプロゴルファーのタイガー・ウッズは愛犬に話しかけることによって克服したと言及しています。
こおろぎさとみさんも自分に合ったオリジナルの治療法によって、吃音を克服できた1人だったのです。
編集後記(声優さんは容姿も必要?)
「私、人間でもエースで四番タイプより、ちょっと変な人のほうが好き」と話すこおろぎさとみさん。
お馴染みのクレヨンしんちゃんの中で、最も好きなキャラクターはぶりぶりざえもんだと言います。
強い者の味方で、長い物に巻かれろ、という誰も言わないことを良い声で言い放つところが最高だとか。
そんなちょっと変わった一面を持つこおろぎさとみさん。
ロリ声で多くの人を魅了すると同時に、ロリ的容姿端麗でもあります。
ラジオから流れる聴き慣れた声。
テレビなどでたまたまそのラジオパーソナリティーが出演していて、その容姿が好みだった時ものすごくテンション上がりますよね?
きっと声優オタクも同じ現象なのではないでしょうか?
最近では声優であっても人前に出てくる機会が増えたせいか、皆、とても容姿にも気を使っているように感じます。
こおろぎさとみさんは、そんな時代の先駆者だったと個人的には思います。
声優養成所時代、講師として教えていた梁田清之さんはこおろぎさとみさんとの同時インタビューで「昔は可愛かった」と切り出しました。
講師の間でも「すごい可愛い娘が入ってきた」と噂になっていたと話し、声をかけたかったと当時を振り返ります。
そんな話しに対してこおろぎさとみさんは「昔はっていうな」「当時、そんなこととは知らずどんどん本性出しちゃって」と笑いをとりました。
こおろぎさとみさんの人の良さを感じる、そんなインタビューとなっていました。
これからの活躍も期待しています。