「考え過ぎだよ」とか「気の持ちようだよ」とかよく周りから言われる方、どうしてこんなに自分だけが”生き辛さ”を感じてしまうのだろうと悩んでいる方へ。

お笑いコンビ オードリーのツッコミとして幅広い世代から人気を集めている若林さんも”生き辛さ”を抱えている一人です。

それは幼稚園の頃から始まり、40歳手前まで続きました。

「自分探し」と「社会探し」を続けること30年、それまでの苦悩を赤裸々に語ります。

僕の「生き辛さ」は共感できますか?

僕には吃音という言葉の障害があります。

自分の名前を言えずに変な目で見られたり、挨拶が出来ずに生意気な奴だと思われていたりすることはよくあることです。

あの雄弁家であるアリストテレス にも吃音があったと言われていて、それ以前からずっと吃音に関する研究は続けられているものの、治療法はおろか原因すら分かっていないらしいです。

何やら一説によると感受性の高さが原因なのではないかと言われていて、確かに人より繊細で敏感な一面があることを自負しています。

例えば人の話しに影響を受けやすいところ。

僕は技術者派遣の仕事をしているため、3ヶ月に1回の契約更新をしながら仕事をさせてもらっています。

同じ職場に、それはそれは仕事の出来ない後輩Aくんがいるのだけれど、「あいつはいつ契約解除になってもおかしくない」と思っていました。

派遣先の社員の人と呑みに行った時のこと、「キミはよく頑張ってくれているけど、センスでいえばAくんの方が上だな」とポロリ。

もう冷静にお酒を飲むことはできません。

2軒目、3軒目では記憶がプツプツと途切れてしまうほど呑んだっくれてしまいました。

二日酔いの気持ち悪さよりも、あの一言による酔いが、次の日の仕事中にも残っていました。

そして、異常なほど痛みに敏感なところ。

テレビで手術の再現VTRが流れたり、凄く痛そうな話しを聞くだけでも、股間の奥の方がギューーーーっと締め付けられて悶えます。

嫁さんはそれが面白いようで、「やめて」といっても話し続けます。

僕は4人の子どもがいるこですが、一度も出産に立ち会ったことがありません。

いつも嫁さんは1人で戦い、人数を増やして帰ってきてくれます。

頭が上がりません。

そんな自分の敏感なところ、揚げだしたらキリがありません。

赤面症だし、閉所恐怖症だし。

5歳の娘と2人で行った遊園地、観覧車の頂上では、いい大人がビビりまくった挙句、「座ってなさい」と怒り狂うほどの高所恐怖症。

本当、自分が自分に「面倒臭い」と感じます。

これって「HSP」というみたいです

どうやら、この敏感な体質には「HSP」という名が付けられているようです。

HSPとは

Highly Sensitive Person の略で「非常に感受性が強く敏感な気質をもった人」のことを指します。

1996年にエレイン・N・アーロン博士が自著で発表し、全人口の1割から2割の人に見られると報告しています。

簡単なQ&AでHSPかどうかが分かるので、「もしや自分もHSPかも?」と思ったらやってみてはいかがでしょうか?

下記に参考サイトを記述しておきます。

新宿ストレスクリニック

僕は当然、バッチリHSPというお墨付きをいただきました。

オードリーの若林さんのエッセイが心に染みる

HSPの体質があると思う方は、是非ともオードリーの若林さんが書いた「ナナメの夕暮れ」というエッセイを読んでみて下さい。

「そうそう」「あるある」と共感できる話しが多くありがならも、「これはさすがに・・・」とヒクぐらい強烈な感性で自身の苦しい半生を振り返っています。

良くも悪くも、世の中には「上には上がいる」ということを教えてくれます。

僕自身、物事を深く考える傾向があると思っていましたが、若林さんのそれは「ストイック」そのものです。

『だいたい分かった』と思えるまで、その探究心は尽きることがありません。

歴史に興味を持つと、家庭教師を雇って学ぶことに加え、海外にまで足を運び現地の様子を肌で味わうのだとか。

「よく分からないけど、まぁ、いいや」で済ましてしまった以前の僕の疑問を、見事に若林さんが解明し言語化してくれたことで「おお、そうだったんだ」と新しい気付きを多く得ることができるエッセイでした。

若林さんはこのエッセイを通じて『生き辛い』と感じる出来事を一つ一つ棚卸しし、最終的には『自分の生き方』を見つけて筆を置きます。

自分の生き方を見つけられている人って、世の中にはどれだけいるのだろう。

きっと『生き辛さ』を感じない、何事にも「まあ、いいや」と考えることをしない人には見つからない財産であると思えます。

『ナナメの夕暮れ』を通して、あなたも『自分の生き方』を探してみて下さい。

物事に繊細で敏感な僕たちだからこそ、『自分探し』という道があるのだから。

若林さんの文章力と語彙力に惹かれる

本業の漫才ではネタ作りを担当していたり、テレビ番組ではMCを任されたり、またMC WAKAとしてラップに定評があるなどマルチに活動する若林さんですが、文才にも驚かされます。

趣味は読書と散歩と公言しているだけのことはあります。

それでいてとても個性的な文章を書くので、まるで若林さんと話しているかのような錯覚を覚えるほど。

とりわけ関心するのは『語彙力』です。

言葉の引き出しがとても多いので飽きずにスラスラーっと読み進めることができてしまいます。

普段の漫才からは感じることができませんでしたが、この語彙力があるからこそ、人を笑顔をする漫才が作れるのだと改めて思います。

当記事では、若林さんを褒めちぎっていますが、僕は今までオードリーを特別好きではありませんでした。

しかし、このエッセイを読んだことによって千鳥と並ぶほど好きになっていました。

漫才ネタが作れ、M1でも準優勝、ラップが上手くて文才にも恵まれている。

側から見たら『恵まれた才能』と思われてしまうかもしれませんが、若林さんがもがき苦しんだ末の産物であると僕は知ってしまったから。

これからも若林さんの活躍を応援します。