『自分のこと、相手のこと、子どものことがよく分かるようになりました』というのが率直な感想です。

日本でもHSPというワードが認識され始め、テレビや雑誌などのメディアでも取り上げられたり、有名人の方がHSPであることを公表するなど注目を集めています。

人に限らず猿や馬などの高等動物には、刺激に対する反応の度合いに個体差があり、より敏感に反応する比率はだいたい同じで、全体の15%から20%存在しているといいます。
『HSP』を提唱したアーロン博士によると、種として生き延びるために、慎重な個体が生まれたのではないかと考えられています。

今回はそんな敏感な気質を持つHSPと愛について書かれた本『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』をご紹介します。

著者はHSPを提唱したアーロン博士で、ちょっと専門性が高いと感じました。
アーロン博士は心理学者ということもあり、一般人が読みやすい文章というよりも、論文を噛み砕いた文章といった印象。
とはいえ、実例を交えた話しにはとても信憑性があり、なによりも、僕自身の性格や体質や考えが的確に当てはまることに驚きました。

  • 大切な人がいる
  • 周りと比べて敏感だ

そんな方におすすめです。

特に『心理学』や『スピリチュアル』に興味がある方にはピッタリな一冊です。

自分のこと、相手のこと、子どもの事がよく分かるようになる

血液型がA型の人は「几帳面」で、B型は「自己中」で、O型は「大雑把」、AB型は「変わり者」なんて言われたりますよね。
僕はA型で、妻がO型なのですが、よく言われる上記の特徴とは正反対なんです。

僕は部屋が散らかっていても、布団を干さなくても、帰ってきたらそのまま布団にダイブして寝てしまうこともあるようなズボラな性格です。
一方で妻は、綺麗好きだし、細かいことを気にするし、ここだけの話しですが、大人の時間を過ごす前には大事な所を洗ってからというルールがあります。笑

血液型による「◯型の人は〜だ」という特徴は、科学的に根気はないといわれていますが、僕もその通りだと思います。

人の特徴を掴む時、血液型よりも遥かに役に立つのがHSPやHSSという物差しです。

  • HSPは敏感であるか否か。(ザックリ)
  • HSSは好奇心が強いか否か。(ザックリ)

このHSPとHSSを掛け合わせた4つのカテゴリー がとてもしっくりくるのです。
「この人はコレ」「あの人はコレ」と迷うことなく選ぶことができます。

1.HSP/非HSS
注意深く、衝動的に行動することがなく、リスクを引き受けることはしない。
穏やかな生活を送ることに幸せを感じる。

2.非HSP/HSS
好奇心旺盛、情熱的、衝動的。
リスクを取ることに躊躇がなく、飽きやすい。
細かい状況には気がつかず、関心も薄い。

3.非HSP/非HSS
好奇心が低い。
あまり深く考えない傾向にある。
ただシンプルに自然体に生きている。

4.HSP/HSS
HSPの敏感で慎重なところと、HSPの好奇心旺盛で衝動的なところを併せ持ち、多才である。
一方ですぐに圧倒され、またすぐに飽きる。
新しいことをしたいのに、過剰な刺激や大きなリスクが嫌で、葛藤することがある。
「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる感じ」と言った人もいる。

どうでしょうか?
自分にピッタリと当てはまる特徴がありましたか?
また身近な人においても「コレ、あの人だなー」と思えるカテゴリー があったと思います。

ちなみに僕は「HSP/HSS」で、妻は「HSP/非HSS」です。

僕はHSPでとても敏感な反面、新しいことに挑戦することも大好きです。
子どもが4人もあるため、将来の不安からお金を稼ぐための挑戦については前向きです。
例えばアフィリエイト とか株式投資などは数年前からトライしています。

一方で妻は僕ほどではありませんが、それでも世間一般と比較すると敏感な気質を持っていると感じます。
しかし好奇心はとても低く、『穏やかな生活を送ることに幸せを感じる』という特徴がそのまま当てはまります。

僕が副業を始めると言い出すと、とても嫌な顔をして『大丈夫?損しない?怪しいことじゃない?』などととても心配をしてきます。
株式投資の時も同じ顔をしていました。

僕が何か新しいことを始める時、決まって妻とは衝突してケンカになっていましたが、このような気質が原因の一つだとは知る由もありませんでした。
自分の気質はもちろん、相手の気質にしても把握できれば、無駄に熱くならずに、冷静に話しを進める事ができると思います。

会社の同僚や友人などにも応用する事ができるため、円滑な関係を築くのにとても役にたつでしょう。

エレイン・N・アーロン博士とは

ここでご紹介している書籍『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき』の作者は、HSPを提唱したエレイン・N・アーロン博士です。

敏感な気質を始めに認識し、1990年からHSPの研究に取り組んでいます。
「HSP研究基金」を設立し、ウェブサイトを通じて情報発信をしたり、書籍『敏感すぎる私の活かし方―高感度から才能を引き出す発想術』は世界的ベストセラーとなりました。

実はアーロン博士の夫であるアーサー・アーロン氏も有名な方で、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の心理学教授で、『吊り橋効果』を最初に観察した人物として知られています。

共に有名な心理学者同士、とても穏やかな夫婦生活をイメージしますが、実はそうでもない所がまた面白いです。

アーロン夫妻の掛け合いも必見です。

スピリチュアルな話しが好きな人にはおすすめ

本書の最後の章(第9章)では、かなりスピリチュアルな話しになっています。

正直、僕にはピンっとこない部分も多くあり、ついて行くのに必死でした。

  • 宗教
  • 修行
  • 原始宗教
  • 禅宗
  • 神道
  • キリスト教

など、普段から信仰している分野があったり、瞑想などに興味がある方にとっては、かなり深い話しになっていると思うのでお勧めです。

寝ている時に見る『夢』ってありますよね?

夢には「正夢」とか「予知夢」とか、夢には色々な説があると思いますが、アーロン博士も夢の力を大切にしている一人です。
見た夢を分析して、自分の精神状態を把握し、深層心理に耳を傾けると、無意識を尊重するようになり、賢い人間性を発達させることができるといいます。

僕は子どもの時によく見た夢があって、大きな圧力に圧迫されて、苦しい夢をよく見ました。
今考えれば、九州男児で亭主関白だった怖い父親からの圧力を夢に見ていたのだと思います。

無意識に耳を傾けてみると、想像もしていなかった自分の側面にも出会える事ができるので、けっこう面白い分野だなと思いました。

コロナ禍で精神的にダメージを受けている今、スピリチュアルな方法を取り入れることで、ちょっとだけ前向きになれるかもしれません。