吃音のブログを書き始めて、はや3年が経とうとしています。

始めは吃音を克服することができた喜びから始めたブログですが、次第に『吃音の正体』に興味が湧き、吃音について調べることが日常となりました。

気がつくと、有料で販売されているインターネット教材や、吃音ドクターこと菊池良和さんの書籍、海外の臨床データなど手当たり次第に情報を集めていました。

しかし、ほとんどの教材や書籍には『決定的』な吃音の原因や解決策は述べられておらず、『吃音の原因は解明されていない』と締めくくられています。

人類が言葉を使い始めた時から始まり、科学や医学が急激に発展している現代においても、一向に解明されない”吃音”。

この奇妙な症状は、一体、なんなんでしょう。

僕は吃音の原因には3つあると考えています。

  1. 感受性が強いこと
  2. 言葉が詰まる資質があること
  3. キッカケ

これまで多くの情報に触れてきましたが、この3つが最も指摘されている項目だからです。

しかし当記事でご紹介する書籍『どまる体』では身体的な部分にフォーカスを当てており、これまでの情報網には無かった知見を得ることができました。

もはや、この一冊で『身体的』な部分での吃音の解明は成されたのではないかと思えます。

 

身体、精神、脳内、遺伝子など複雑に絡み合っている

 

そもそも、吃音の原因が解明されない根源には身体や精神、脳内、遺伝子などが複雑に絡み合っていることが挙げられます。

ある人は・・・

吃音は身体的な問題で、構音障害の一種としてウンタラカンタラ・・・

またある人は・・・

吃音は100%精神的な問題で、ウンタラカンタラ・・・

またある人は脳内エラーだ!
またある人は遺伝的な問題だ!

と各分野の専門家達が発言していることに加え、一般家庭では誤った仮説『診断起因説』によって『吃音は子供の口から始まらず、親の耳から始まる』といった情報に振り回されてしまっています。
加えて、インターネット上にも個人の見解が飛び交っているため、吃音者は途方に暮れてしまうのです。

昔は”吃音”や”どもり”などという言葉が差別用語として扱われてきましたが、現代においては吃音をオープンにすることが推進されています。

“昔の常識は非常識”とはよく言ったもので、それは吃音にとっても同じです。

最近の文献においては、あまり意見がバラバラすることもなく、『吃音とは複数の原因が複雑に絡み合っている』という意見で一致しており、身体的・精神的・脳科学的などの多方面からの視点が必要であると認識されています。

 

 

身体的に解明された書籍

僕はロバート・キヨサキの書籍『金持ち父さん 貧乏父さん』のシリーズが好きで、色々購読しているのですが、その中の一文が特に気に入っています。

『ゾウさんの食べ方は一口ずつ』です。

これは果てしなく大きな食べ物でも、やることはいつも変わらず”一口ずつ食べる”しかないことを例えています。

人間は大きな問題や課題にぶつかると、その大きさに目がくらみ尻込みしてしまいがちです。
でも、大きな問題も実は小さな問題の集合体であり、その一つ一つは簡単に解決することができるのです。

僕は娘がご飯を食べない時、決まって『ゾウさんの食べ方は?』と聞きます。
すると『一口ずつ』と呟き、一口、また一口と食べ始めるのです。

妻は『何なのそれ?』と不思議そうな顔をしますが、僕にとっては座右の銘なのです。

これは吃音にとっても同じではないでしょうか?

吃音はまだまだ解明されていないことだらけですが、一方で『分かってきた』こともあるのです。
双子研究によって”診断起因説”が否定されたように、99%遺伝子的に同じで、100%環境が同じなのに、吃音になる子とならない子がいるということも分かっています。

複数の原因が複雑に絡み合っており、いっぺんに解く術はないけれど、一本一本手繰り寄せて解くことはできるかもしれません。

この『どもる体』は、そんな絡み合っている中の一つ、身体的な部分について、これでもかっというくらい詳細に書かれています。

昔から吃音は身体の問題であると考えられきたこともあり、当時の吃音矯正所では腹式呼吸などのテクニックを指導していました。
しかし小手先だけのテクニックを教えるだけで、その確信は触れることはありませんでした。

書籍『どもる体』では、身体的な部分をさらに細分化して、あらゆる方面から吃音という奇妙な症状を見ることができます。

それは吃音の身体的部分の確信をついている、吃音の身体的部分の解明が成されていると僕は思います。

吃音の見方が変わる

書籍『どもる体』を読むと、どんな良いことがあるのか?

一つは吃音の身体的な問題を理解することができます。
あなたの身体に起こっているしゃべるという身体的エラーがどの様に起こっているのかが分かります。

二つ目は、吃音の見方が変わることです。

当書籍では複数の吃音者からヒアリングして作成されたもので、多くの当事者の意見を聞くことができます。

普通なら吃音が嫌で嫌で堪らず、何とかして無くしたい・隠したいと思いますよね?

でもインタビューを受けた人の中には、

  • どもりたい
  • どもっている自分が面白い
  • 吃音こそ本当の自分

などと、一風変わった感覚で吃音と付き合っている人達がいることを知ることになります。

ある程度歳をとると、吃音を回避するためのテクニックが身に付き、周りから見れば吃音者だと分からない”隠れ吃音者”が多く存在します。

そんな隠れ吃音者から、普通にどもって話しができるようになりたいと願う人も中にはいるのです。

あなたはどうでしょうか?

吃音に悩んでいる人であれば、なかなか理解できないことだと思いますが、実は多くの専門家が『どもって話す』ことを推進しています。

アメリカの吃音協会の創設者であるマルコム・フレーザが提唱した12の原則の一節では、公然とどもることとされています。

吃音ドクターで有名な九州大学の菊池良和さんも『どもっていてもいいんだよ』をキャッチフレーズとして、よく使っています。

目白大学の都築教授も、インターネット教材で実績のある中村しょうさんなど、実績のある多くの方が頻繁に上記のような発言をしています。

その答えとなるのが書籍『どもる体』には書かれています。

もし、あなたが吃音を隠して生きている”隠れ吃音者”なら、”公然とどもる”ことへの素晴らしさを知るキッカケになるかもしれません。

是非とも一読下さい。